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コロナウイルスの影響で競馬も無観客開催が続いています。
そんな中、今年も皐月賞の開催の時期となりました。
今回掘り下げたい過去の馬はディーマジェスティ。
2016年の皐月賞で人気薄ながら他の注目馬を一蹴したディーマジェスティ。
いつの間にか引退していたと思う人も多いディーマジェスティについて掘り下げて行きましょう。
ディーマジェスティの生い立ち
ディーマジェスティを語る上で外せないのは血統についてだ。
ディーマジェスティの運命を揺るがすこととなるのは祖母『シンコウエルメス』。
シンコウエルメスの兄は英ダービーを圧勝した『ジェネラル』、姉は英オークスの覇者『イマジン』
当然、彼女は期待され日本に輸入された。
名門『藤沢和雄』厩舎でデビューすることになるのだが、デビュー戦は5着に破れてしまう。
しかし、その後の調教で絶体絶命的な骨折するアクシデントに見舞われてしまう。
成功確率の低い手術を決行するか、このまま安楽死させるか。
この選択肢がディーマジェスティの運命の分岐点になるのだ。
厩舎は迷った結果この血統を後世に残すため手術を決行した。
そして、奇跡的に手術は成功したが、シンコウエルメスの競争馬能力は失われた。
それでも厩舎のスタッフは競走馬能力を失った、お金も一切入らないシンコウエルメスをスタッフ全員で大事に看病した。
そのかいあって無事に繁殖牝馬となり、ディーマジェスティの母になる『エルメスティアラ』を産んだ。
エルメスティアラも走ることの出来なかった馬だったが名師 藤沢和雄はシンコウエルメスに似たなにかを感じ無理にデビューさせず繁殖牝馬としたのだ。
そのエルメスティアラと誰もが知る名馬ディープインパクトとの間に生まれた良血馬がディーマジェスティなのである。
デビュー戦~共同通信杯
札幌競馬場でデビュー。
走れなかった祖母シンコウエルメス、母エルメスティアラの想いを背負ってのデビュー。もちろん厩舎は藤沢和雄 厩舎。
悪い馬場状態で中団から追い上げたが鼻差の接戦で2着。
次レースは1番人気に押されるもまたもや2着。
3戦目となる未勝利戦では後のスプリングSの覇者となるマウントロブソンををクビ差を差し切り初勝利。
4戦目は2歳最終決戦のホープフルSを目標とするが、レース当日に怪我が発症し競争取り消しになった。
3歳になって最初に選んだのは共同通信杯だった。
一勝馬かつ前走競争取り消ししているディーマジェスティは6番人気と低評価だったが直線で堂々差し切り勝利。
そして、重賞馬となったディーマジェスティが向かったのはクラシック第1戦皐月賞だった・・。
鬼の末脚でライバルを一蹴した皐月賞
迎える皐月賞当日。
重賞馬かつ2連勝で挑んだディーマジェスティだったが世間の評価は低く、8番人気だった。
当時の皐月賞の勢力図は
サトノ軍団の最高傑作11番サトノダイヤモンド
朝日杯を驚異的レコードで駆け抜けた16番リオンディーズ
若駒Sで強烈な末脚を炸裂させた3番マカヒキ
安定の掲示板力!15番エアスピネル
この4強だったのだが・・・
16番ディーマジェスティ
足を溜め絶好の位置を回って来た直線。
残り200mを超えたところで超加速。他の注目馬達を置き去るようにあっという間に先頭へ。
後ろから高速で追ってくるマカヒキを寄せ付けず1着でゴール。
この時、ディーマジェスティは重度の怪我を負い手術を乗り越えた祖母シンコウエルメスとそれを支えたスタッフ、走れなかった母エルメスティアラ。
その全ての想いを無駄にしなかったのだ。
その後、勝てない日々が続き
皐月賞を勝ったディーマジェスティはダービーで注目されることとなるが、マカヒキとサトノダイヤモンドの叩き合いの中3着になる。
秋までの長い休みをはさみ、菊花賞の前哨戦セントライト記念ではギリギリの1着。
だが、これがディーマジェスティの最後の勝利になった。
その後、菊花賞ではまさかの着外で4着、JCでは4番人気ながら13着、G2の日経賞ですら6着
そして結果的にラストランとなった天皇賞春ではレコード勝利したキタサンブラックの影に隠れ6着。
11月21日に屈腱炎のため引退。
皐月賞馬とは思えないひっそりとした引退だった。
ディーマジェスティは今なにしている?
現在、種牡馬入りしています。
2019年が初年度産駒になっていますのでデビューするのはまだ先ですが今後の活躍に期待です。
ディーマジェスティが皐月賞で見せた全てを置き去りにするような異次元の末脚。
そして、シンコウエルメスの想いを子供達に受け継いでほしいですね!